大阪市立大学大学院医学研究科放射線診断学・IVR 学(所在地:大阪府大阪市)人工知能研究室は、エルピクセル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:島原佑基)と包括的な共同研究契約を締結いたしました。
これまで共同で研究開発を進めてきた、人工知能(AI)による脳動脈瘤の自動検出アルゴリズムに加え、乳癌や肺癌などの疾患にも共同研究範囲を広げてまいります。今後、各アルゴリズムの臨床現場での試験を進め、学習用症例の蓄積を重ねつつ、精度のさらなる改善を目指します。それと並行し、医療機器認証の獲得も目指してまいります。
【人工知能(AI)による脳動脈瘤の自動検出アルゴリズムの開発および検証】
2006 年 11月から 2017 年 9 月の間に大阪市立大学医学部附属病院をはじめとする 4つの施設から集めた 1271 枚の MRA 画像(1477 個の脳動脈瘤)を対象に深層学習を用いてアルゴリズムを開発し、検証を行った結果、92%の自動検出に成功しました。アルゴリズムの補助を受けた場合、放射線科医による単独読影と比較して、脳動脈瘤の検出数は 5~10%程度上昇し、その点で、深層学習による脳動脈瘤検出の臨床有用性を検証した研究となりました。本研究の成果は、学術誌 Radiology に掲載されております。
【雑誌名】Radiology(IF=7.469)
【論文名】Deep Learning for MR Angiography: Automated Detection of Cerebral
Aneurysms
【著 者】Daiju Ueda1), Akira Yamamoto1), Masataka Nishimori2), Taro Shimono1),
Satoshi Doishita1), Akitoshi Shimazaki1), Yutaka Katayama3), Shinya Fukumoto4),Choppin
Antoine2), Yuki Shimahara2), Yukio Miki1)
1) 大阪市立大学医学研究科 放射線診断学・IVR 学, 2)エルピクセル株式会社, 3)大阪市立大学医学部附属病院, 4)大阪市立大学医学研究科 先端予防医療学
【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持つ東京大学発のベンチャー企業です。医療・製薬・農業などのライフサイエンス領域に対して画像解析技術とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してきました。現在、人工知能を活用した医療画像診断支援技術EIRL(エイル)の研究開発も進めています。
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